ボクシング・ヘレナ
1993年アメリカ映画/カラー/105分
ヒューマックス・ギャガ共同配給
監督/脚本ジェニファー・リンチ(初監督作品) 


あの日の事故のことを話して
かすり傷程度の怪我だったんでしょ?
それとも捻挫?
だのに・・・・・なんてことをしたの!
こんな身体にされて・・・・
わたしはもう 自分が人間だなんて思えない・・・・・・

鬼畜度

☆☆☆

ダルマ度

DAE(?) &DAK(?) はっきりとは見せない・・・

ダルマ量

1人 (映画後半から)

ストーリー

若くして大病院の外科部長を勤める、有能な執刀外科医のニック
しかし彼は、少年時代のトラウマから、セックスには極端な劣等感を持っていた

彼は以前一度だけ、一夜をともにしたことがある、ヘレナのことが忘れられず、ストーカーまがいの行為をくりかえす
そして、ニックの目の前で、ヘレナは事故にあう・・・・・

ニックは両脚を失ったヘレナを、別荘に閉じ込め、1日中世話をするようになる
しかしある日、激昂したヘレナに首を締められたニックは、思い余ってヘレナの両腕も切断してしまう。

手も足もなくなったヘレナを、いっそう献身的に世話をするニック。
やがて、2人の間に奇妙な愛情が芽生えかける
だが、突然姿を消したヘレナを探す、彼女の元の恋人に居場所を突き止められ・・・

解説

このHPに(よく)きている人なら、もう解説の必要もない映画ですね
私の知る限り、四肢切断がメインテーマになっている唯一の映画です。(資料室で 映画っていうカテゴリ作ったけど、これだけしかないんじゃないかっていう・・・(^_^ ;))

そのショッキングなストーリーから、キム・ベイジンガーとマドンナがそれぞれ出演を一度は受諾しながらも、出演を拒否したということでも有名な映画です。

とくに、キム・ベイジンガーは、この出演拒否により、損害賠償を請求され、破産寸前まで行ったとか。
また、ジェニファー・リンチは、かのデヴィッド・リンチの娘であります。

今回、この項を書くに当たって、インターネットで検索とかしてみたのですが、この映画に関する感想は、けっこうみなさん両極端です。
否定的な意見としては、「夢オチ」にたいする批判と、「内容が変態的だ、気持ちわるい」ということに対する批判の2つに分けられるでしょう。
(でも、後者のほうは、批判には値しないのでは?と思うのですが・・・。表現の問題だし!)

いっぽう、肯定派は、むしろそのアブナイ内容を高く評価しているようです。(なんか、肯定派が女性に多いような・・・(●^o^●))

ちなみに私はけっこうスキです。なんたって、唯一の四肢切断テーマの映画だし・・・・。
また、幻想的な画面つくりはなかなかのものかと。(RANPO見たいな、明らかに変だ!という画面ではなく、現実なんだけど、なんか変だ・・・という感じを与える。)
たしかに、夢オチはちょっと・・・と思いますが、途中の演出力や、手に汗握る、「これからどうなるんだろう?」と思わせる展開は、なかなかのものでした。

それに演出・・・たとえば、映画の冒頭で、本来なら切断するほどひどい子供の手の怪我を、なんとか切断せずに救ってしまうニックの姿を入れるところなど、やるな!と思ってしまいました。(ヘレナの脚も、もしかしたら十分救えたのにニックが・・・と思わせるわけですな。しかも真相はあえて言わない・・・・)

その年の最低映画を選ぶ、有名な冗談企画、ラズベリーリボン賞の監督賞をもらっているようですが・・・監督としてそんなにひどい仕事しているようには思えませんがねえ・・・・

あと私が不満なのは・・・・

やっぱり ヘレナの手足がない状態を、特撮かなんかでじっくりと見せてほしかった!(笑)
(で、さらにニックとのSEXシーンも・・・・五体満足なときは、よく脱いでSEXしているのになあ・・・・ヘレナ)
まあ、映画の雰囲気からすると、わかりますけど。そういうシーンをむしろ排除しようとしていたのは・・・・。でもやっぱ残念。

しかしなんといっても、一にも二にも夢オチっていうのが大きなマイナスですので、そこを逃げずに何とか描ききってほしかった!という映画です。


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